柏崎市長は7月2日の定例記者会見において、
●東電の拠出金を住民負担軽減に充てることについて
●新潟空港や新潟港、柏崎港の軍事利用と原発が攻撃目標になることの関係について
記者より質問に答えています。以下はその一部引用です。
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記者:市長は、既存の法律と実際のお金の使い道との整合性に疑問があると話していたが、東京電力の拠出金を電気料金の軽減に充てること自体について、つまり再稼働の見返りとして住民への直接的な利益供与のように受け取られるおそれがあるという問題意識は持っているか。
市長:その点については、私は当初から申し上げています。受け取る側からすれば、支援はありがたいものですが、電気料金の軽減は法律の改正によって行われるべきであり、東京電力の拠出金を充てるべきではありません。象徴的に言わせてもらうならば、そのような手法は、昭和のやり方だと思います。かつてはそのような考え方もあったかもしれませんが、東京電力からの寄付金を財源として個人や特定の企業を直接支援するやり方には、やはり違和感があります。その考えをなかなか理解していただけないことに、もどかしさを感じています。
記者:もう少し明確に伺いたい。東京電力の拠出金を住民の電気料金軽減に充てることは、住民への見返りが強すぎるという問題意識があるということか。
市長:私は、東京電力よりも、この制度を設計した県や要望しているUPZ圏内の自治体に課題があると考えています。現在、市と刈羽村には電源立地給付金として1世帯当たり1万8,912円、隣接する長岡市や上越市の一部には1世帯当たり9,456円が交付されています。一方、出雲崎町は全域が対象で、同じく1世帯当たり9,456円が交付されていますが、今回の拠出金による制度では新たな恩恵はありません。全国にも同様の給付金制度はありますが、その給付額は法律や基準に基づいて決められています。例えば六ヶ所村は約2万4千円です。しかし今回の制度は、東京電力の寄付金を財源として、原子力災害対策重点区域内を一律に支援する内容となっており、法制度に基づく仕組みとは異なります。税金や法律に基づく制度であれば、このような仕組みにはならないはずです。それを東京電力の寄付金だからという理由で進めることなど、法治国家にある行政がやってはいけないのではないかと思っています。また、東京電力の小早川社長は、拠出金は地域経済の活性化や地域振興に役立ててもらいたいという考えを示しています。個人や特定の企業への支援に充てることは、そもそも東京電力が本来意図していた使い方ではなかったのではないかと私は理解しています。
記者:有事の際に自衛隊や海上保安庁が円滑に利用できる港湾として、新潟空港や新潟港、柏崎港の活用を目指すという報道があったが、市にはいつ打診があったのか。
市長:2~3年程前から、当時防衛大臣政務官だった参議院議員の小林一大氏のもとを訪れ、要望してきた内容です。これまでの原子力防災訓練でも柏崎港を活用し、自衛隊や海上保安庁の船舶で住民を避難させる訓練を行ってきましたが、近年、柏崎港では土砂の堆積が進んでいます。本来、水深マイナス11.5メートルの岸壁ですが、現在は平均でマイナス7.5メートル程度と浅くなっています。航路の最も浅い場所ではマイナス1.6メートルほどしかありません。以前、ミサイル艇が寄港した際にも、艇長から指摘されたほどです。このような状況が続いているため、何とかしていただきたいと国にお願いしてきました。今回、国が柏崎港を含めて「特定利用港湾」に位置付ける方針を示したことは、大変ありがたいことだと受け止めています。現時点では、どのような予算措置が講じられるのかまでは承知していませんが、柏崎港が原子力災害時における避難経路として重要な役割を担う港として、必要な整備が進むことを期待しています。
記者:有事の際に原子力発電所が攻撃目標になる可能性もあると思うが、どのように考えているか。
市長:可能性はあると思います。港かもしれませんし、原子力発電所そのものが攻撃目標となる可能性もあります。そのような事態にならないことを願うばかりですが、絶対に起こらないとは言い切れません。だからこそ、万が一に備え、柏崎港を特定利用港湾として位置付け、必要な整備を進めていただくことが重要だと考えています。これがベストとは言えませんが、次善の策としては必要な取り組みだと考えます。港が狙われる危険性が高まるという見方もあるかもしれませんが、それ以上に、私は有事の際に港を活用して住民が避難できることや、避難に必要な艦船が確実に入港できるようになることのメリットの方が大きいと考えています。

