2025年12月26日、柏崎刈羽原発再稼働是非を考える新潟県民ネットワークは、
声明「地下式FV設備『事前了解』の撤回を求めます」を発出しました。

【声明】地下式 FV 設備「事前了解」の撤回を求めます
2025 年 12 月 26 日
柏崎刈羽原発再稼働是非を考える新潟県民ネットワーク
世話人・事務局一同12 月 23 日、花角英世・新潟県知事は、柏崎刈羽原子力発電所 6・7 号機の地下式フィル
タベント(FV)を「事前了解」しました。 (県原子力安全対策課
https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/474714.pdf 参照)
これは、2013 年・2017 年にそれぞれ当時の知事だった泉田裕彦氏・米山隆一氏と東京電
力との間で交わされた地下式 FV 設備に関する文書で「安全協定 3 条に基づく事前了解が必
要」とされたことに基づく手続きとされています(別紙「地下式 FV の経緯と問題点」およ
び資料「元・前知事の東電あて関係文書の内容」参照)。地下式 FV は、2013 年に東電自ら約束したもので、技術委員会においてその安全性や
「避難計画との整合性」について一定の検証がなされました。しかし、申請から 10 年以上
を経た今も未完成で、7 号機の地下式 FV を含む特重施設は東電が今年 4 月に完成すると公
言していたにもかかわらず 、結局 2029 年まで大幅に先送りされています(6 号機の同設備
も同様に未完成) 。つまり、技術委の「検証」にもかかわらず、その前提すら危うく、この
設備の設計や設置がきわめて困難であり、そして東電の約束が全く信用できないものである
ことが客観的に明らかになっていると言えます。また、そもそも避難計画には多くの課題が
残り、その実効性に重大かつ具体的な疑問が山積する中で、地下式 FV と計画との「整合」
などを議論しても意味がありません。花角知事はすでに「再稼働容認」判断を示していますが、その判断とこの設備の「了解」
とは、手続的にも論理的にも独立しているはずです。ところが花角知事は「再稼働容認」に
続いて、何の根拠も示さず 、議会や県民への詳細な説明もないまま、この設備を「了解」す
るという粗雑で乱暴な判断を下しました。また、泉田元知事・米山前知事と東電が交わした上記文書は、その経緯も含めて客観的に
見れば、再稼働時に完成し供用されていることが前提だと解釈するのが妥当です。したがっ
て、今回「了解」したとしても、国や東電が再稼働をめざしている来年 1 月 20 日時点で設
置・供用されていなければ、原発を稼働する条件は担保されていないと考えるべきです 。
今回の「事前了解」には正当な根拠が無く、合理的な理由も示されていません。私たちは
これに強く抗議し、その撤回を求めるとともに、 「特重施設」の設置猶予期間(そのこと自
体、きわめて不当な仕組みです)であっても、少なくとも地下式 FV が未設置の状態では再
稼働するべきではないことを重ねて訴えます 。柏崎刈羽原発再稼働の是非を考える新潟県民ネットワーク
事務局 メール jimu.kksknet2025@gmail.com
電 話 080-7668-4457
ホームページ https://kk-kangaeru2025.net/
*追加情報など随時掲載します。
<別紙> 地下式 FV 問題の経緯と問題点
・2013 年、東電の FV 設置と規制委への許可申請に対し、泉田元知事が事前了解がなか
ったことを問題視。東電から対策の多重化の一環として地下式 FV の設置が示された。・これらの対策を踏まえた東電の原子力規制委員会への規制基準適合申請にあたって、泉
田氏は「新潟県との安全協定に基づく協議後に修正申請を行うこと」「今回申請のフィ
ルタベント設備は地元避難計画との整合性を持たせ安全協定に基づく了解が得られない
限り使用できない設備であること」を申請書に書き込むことを東電に約束させた。・その後、申請書に書き込むことの合理性が指摘・検討され、2017 年、米山前知事と東
電との間で修正・再確認され、 「事前了解が得られない限り供用できない施設」である
ことが再確認・明記された。・これと並行し、新規制基準の策定時には当初明確ではなかったが、地下式 FV は「特重
施設」関連施設として位置づけられた。・特重施設は本体工事認可から(当初は「新規制基準策定時から」)5年の猶予期間があ
り、7号機の特重施設はこの猶予期限(2025 年 10 月)に間に合わず先送りされた。・「特重施設」としての FV は猶予期間で先送りだとしても、「泉田元知事(+米山前知
事)との約束」としての FV は再稼働の前提条件になる、と考えるべき。・現在、地上式 FV はできたが地下式は未完成。上記約束に基づく「事前了解」も出され
ていなかったが、県は 12 月 23 日付で「事前了解」した。・しかし、そもそも本年 4 月には完成見込みとされていた 7 号基の地下式 FV を含む特重
施設 FV の完成を大幅先送り(特に地下式 FV は自ら約束した施設)し、6 号機の FV
も目途が立っていない状態で、姿も見えない FV と「住民の安全」「避難計画との整合
性」を担保できるわけがない(核防護施設なので技術委の検討も制限がある) 。・ 6 号機の特重施設についての「事前了解」 「判断」は、FV が完成する(はずの)2029
年 9 月時点であらためてなされるべき。なお、その「2029 年 9 月」は、来年 5 月の知
事選で選ばれる知事下の県政にある。<資料> 元・前知事の東電あて関係文書の内容
① 泉田知事「柏崎刈羽原子力発電所の規制基準適合審査申請に係る条件付き承認について」
(2013. 9.26)
柏崎刈羽原子力発電所の規制基準適合審査申請について、下記のとおり条件を付して、
承認します。
ただし、ベント操作による住民の被ばくが許容できないと明らかになった場合又はフィ
ルタベント設備の設置に関して東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所周辺地域の安全
確保に関する協定書(以下「安全協定」という。)第 3 条に基づく協議が整わないと明ら
かになった場合は、この承認は無効とします。記
原子力規制委員会への規制基準適合申請にあたっては、以下の事項を申請書に明記する
こと
1 新潟県との安全協定に基づく協議後に修正申請を行うこと
2 今回申請のフィルタベント設備は地元避難計画との整合性を持たせ安全協定に基づ
く了解が得られない限り使用できない設備であること② 米山知事「柏崎刈羽原子力発電所6、7号機フィルタベント設備について」(2017.5.31)
平成 25 年 9 月 26 日付条件付承認について、 平成 29 年 5 月 30 日付で文書をいただ
きましたので、下記のとおり確認いたします。記
1 フィルタベント設備については、地元避難計画との整合性を持たせ、「東京電力柏崎
刈羽原子力発電所周辺地域の安全確保に関する協定書」(以下「安全協定」という。)に
基づく了解が得られない限り供用できない設備であること。
2 県の了解がないにも関わらず、当該設備を供用した場合は、安全協定第 14 条に基づ
く適切な措置を講ずることを求めること。
3 安全協定第 14 条に基づく適切な措置を講ずることを求めたときは誠意を持ってこれ
に応ずること。


