県議会速報_12月4日代表質問

12月4日新潟県議会本会議は、代表質問が行われました。通常より多い傍聴者が見守りました。
質問と答弁の速報を掲載し、随時更新します。

県議会公式の録画公開は12月8日13時過ぎからです。

新潟県議会-インターネット中継

12月県議会代表質問 期日2025年12月4日(木)10:00~
1 高橋 直揮 自由民主党
2 大渕 健 未来にいがた
3 杉井 旬 リベラル新潟

<Q高橋直揮議員(自民党)、A:花角英世県知事等>

Q 避難路整備の進捗と今後の進め方
A 昨年度より6方向の幹線道路整備に係るのり面対策や橋梁の耐震化等に向けた調査を進め、本年9月に開催された協議の枠組みにおいて、個別箇所の早期実施可能な事業内容について、県及び関係省庁で確認されたことから、調査及び工事に必要な予算を本定例会にお諮りしているところです。今後の進め方については県民の安心・安全に直接関わることであることから、関係地域振興局における必要な執行体制を体制を整えると共に、引き続き国と連携し、できる限り通常事業と異なるペースで整備が進むよう取り組んでまいります。
Q UPZ自治体からの避難路の整備要望と対応について
A 原子力災害時の避難路の整備については内閣府、経済産業省、国土交通省及び県で構成する協議会の枠組みで協議することとなっている。UPZ自治体からの要望についても、この枠組みの中で整備等の内容や必要性、効果などについて精査していくこととし、現在具体的な精査の方法について国と協議を進めています。
Q 特措法対象自治体拡大
A 原発特措法については、国が年内を目途に対象地域の拡大に向けた制度改正を進めると聞いており、県においても先月対象となる自治体に対し説明会を開催するなど、速やかな制度活用に向け取組んでいるところです。県といたしましてはこうした制度の活用も含め要望の具体化に向け、UPZ自治体と連携し対応してまいります。
Q 東京電力から拠出される資金を活用する分野について
A 東京電力はこの資金を除排雪体制の強化や屋内退避施設・設備等の、安全・安心な暮らしのための基盤整備と、GX、DXなど成長が期待される分野における地域経済活性化に貢献するため拠出するとしており、また県に裁量があるともしています。資金の拠出は柏崎刈羽原発再稼働を前提したものであることから、どのように活用していくかについては、本定例会での議論も踏まえた上で、再稼働が決まれば今後検討してまいります。
Q 柏崎刈羽原発の再稼働に伴う今後の業務執行体制について
A 再稼働が決定した場合は、現在進めている避難路や屋内退避施設の整備といった取り組みに加え、東京電力から拠出される資金の活用や庁内外との調整等の業務が必要になります。一方東京電力の資金拠出については、再稼働決定後に具体的な協議が始まることから、現時点で必要となる業務量を見通せる状況にありません。そのため今後の業務量の詳細が分かった段階で、議員ご指摘の専門的な担当課の設置が必要かどうかも含めて適切な業務執行体制の検討を進めてまいります。
Q 東京電力による資金拠出の期間について
A 9月の定例会連合委員会において東京電力の小早川社長は「将来につきましても当社拠出資金の活用状況等も踏まえながら、引き続き新潟県の経済活性化に向けてどのような貢献が可能かを検討し、新潟県とも相談させていただきながら進めさせていただきたい。」と述べており、資金拠出の期間を10年程度に限定しているものではないと認識しています。一方で東京電力による資金拠出は、柏崎刈羽原発の再稼働を前提としたものであり、再稼働が決まれば議員ご指摘の趣旨も含めた、本定例会の議論も踏まえて東京電力と協議を進めてまいります。
Q フィルターベント設備について
A フィルターベントは、新規制基準に基づき設置される安全上重要な設備でありますが、議員ご指摘の通り東京電力からの事前了解願に対し、県は避難計画との整合性を持たせ安全協定も基づく了解が得られなければ共用出来ないとしております。本年5月に県が行った被ばくシミュレーションではフィルターベントを使用した場合でも避難計画に定めた対応をすればIAEAの基準を上回る被ばくを避けることができるとの見込みが出たところです。またフィルターベントについては県技術委員会において技術的確認が行われ、「現時点において安全性について特に問題となる点は無いと考える」と結論が出されております。これらに加え、本年6月総理大臣を議長とする原子力防災会議で柏崎刈羽地域の緊急時対応が了承されたことから、フィルターベント設備と避難計画との整合性はとられているものと判断し、地上式、地下式共に了解することとします。
Q 東京電力は柏崎刈羽原発1号機・2号機の廃炉の検討を進めることを示したこととそれぞれの運転可能期間について
A 廃炉については東京電力の判断であり、その検討を着実に進めていただきたいと考えています。なお、1号機、2号機の運転可能期間については防災局長からお答えします。
Q 原子力発電所の必要性や安全対策、防災対策の周知について
A これまで県では柏崎刈羽原発に関する安全対策の確認や原子力防災の取り組みの状況等について、各種広報誌や新聞広告、説明会などにより県民の情報提供・共有を図ってまいりました。引き続き分かりやすく情報提供・共有を図ることが重要であることから、県といたしましては柏崎刈羽原発の安全対策・防災対策等を周知するためのリーフレットを作成し、全県を対象として各戸配布することや若い世代にも関心を持っていただけるようWebを活用した広報を行うことを考えております。また国に対して原子力発電の安全性と必要性について、今後も分かりやすい説明を丁寧に行うことを求めてまいります。
Q 本県からの電力の恩恵を受ける1都8県に対する働きかけについて
A 電力消費地の日常生活、経済活動に必要な電力を本県から供給している事への理解を得ながら、1都8県と本県の経済的発展に向けた連携を目指すことは重要な取組であると考えています。現在本県と1都8県の経済団体が連携し、電力の産地消費地連携事業に取り組む対応を盛り込んだ電力消費地共同アピールを本年5月に採択し、県産品の物産展開催など具体的取り組みを始めたところです。本県でもこうした動きと歩調を合わせながら電力供給県である本県への理解促進や本県経済の活性化に資する取組を進めてまいります。
Q 柏崎刈羽原子力発電所の再稼働の判断と結論に対する県民の意思を確認する方法について
A これまで「議会での議論や住民の直接投票など様々な手法が考えられる」と申し上げてきたところです。具体の手法については「投票という形を取ると分断が深まる」といったご指摘や、「県民に責任や負担、分断を生じさせない」ということも含め真剣に考えてまいりました。こうした中、県議会9月定例会において「知事が結論について県議会に県民の意思を確認するならば、共に県民の代表である県議会として、議会の意思を示すこと」が決議されたこと、また、多くの市町村長方も指摘があったことを踏まえ、私としては先般申し上げた判断を行ったこと及びこの判断に沿って今後知事の職務を続けることについて県議会の信任を得られるか、または不信任とされるのか判断を仰ぐことといたしました。
Q 柏崎刈羽原発の再稼働の判断・結論に当たり国の対応を確認する7項目について
A 示している7項目すべてについて国の対応を確認した上で、国からの再稼働の方針への理解要請に了解することとしております。7項目への対応については明確化するため文書等で回答いただけるよう求めると共に、その実施状況について定期的に県と共有するよう国に求めてまいります。
Q 化石燃料の輸入に伴う国富の流出と柏崎刈羽原発の再稼働について
A 輸入した化石燃料を用いた火力発電に依存した現状においては、燃料価格の上昇が外貨流出に直結する構造にあると認識しております。今後産業部門のさらなる電力需要の増加が見込まれる中で、国民生活と国内産業の競争力維持・向上のために、柏崎刈羽原発が一定の役割を果たしていく必要があるとの国の方針は、現状における判断としては理解できるものと考えております。
Q 原子力発電の役割について
A 原子力発電を含む国のエネルギー政策は、安全性を大前提に安定供給、経済性、環境適合の同時達成を目標に進められているものと認識しております。その上で今後、産業部門のさらなる電力需要の増加が見込まれる中で、国民生活と国内産業の競争力維持・向上のために優れた安定供給性や需給率を有する原子力発電を推進するとの国の方針は、現状における判断としては理解できるものと考えております。こうした原子力発電の位置づけや活用方針については、国の責任において国民に分かりやすく、より明確に説明していただきたいと思います。
Q 1都8県との連携について
A 今後も不可避的に人口減少が続くことが見込まれる中、様々な課題に対応していくためには、都市部と地方部が共に経済成長しつつ持続可能な社会を構築し、必要な施策やサービスが行われるよう取り組んでいく必要があると考えております。そのためにも本県が1都8県をはじめとした他県と課題を共有し、連携を深め、互いに発展するよう取り組んでいくことは大変重要であると認識しております。これまでも全国知事会や個別の連携の枠組みの中で取組んでまいりましたが、将来を見据え一層1都8県を含む他県と連携しながら、双方の発展に向けて取り組んでまいります。
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Q 複合災害を想定した屋内退避の整備について
A 中村防災局長 県は国と共にPAZ及びUPZ市町村へ国の方針に基づく整備の意向を確認したところ、いずれの市町村からも「施設整備を進めて行きたい」との回答をいただいています。現在市町村において、来年度からの着手に向けて実施個所の検討を進めており、県といたしましても市町村の意向に沿う形で整備が進められるよう引き続き連携して対応してまいります。
Q 柏崎刈羽原発1号機、2号機の運転可能期間について
A 中村防災局長 原子炉の運転可能期間は電気事業法に定められる通り、運転開始から40年であり、事業者からの申請に基づき経済産業大臣が認可した場合は、運転期間が最長で20年延長されることとなっています。現在東京電力から延長申請がなされていないことから、運転可能期間は1号機では令和7年9月17日まで、2号機では令和12年9月27日までとなります。
Q 除雪車両、消融雪施設、監視カメラの整備にかかる費用と期間について
A 清田土木部長 現在消融雪施設について、地下水の水位や十分な水量があるかなど調査しており、その結果を踏まえどのような施設を設置するか決定することになる。仮に一般的な消融雪施設である消雪パイプの設置をした場合、除雪車両及び監視カメラをあわせて整備費用は20億円程度を見込んでおります。また整備期間は5年程度を想定しております。

12月県議会代表質問 期日 2025年12月4日(木)13:00~ <Q未来にいがた:大渕健議員、A:花角英世県知事>      

【知事回答は追って掲載】

Q 知事は県民の関心が高く、意見が分かれる課題について重い任務を背負い対応されてきたことに対して敬意を表したい。知事は11/21記者会見の場で「柏崎刈羽原発6号炉、7号炉の再稼働に関し、国からの再稼働方針の理解要請について了解する」と表明した。そして「この判断を行ったこと及びこの判断を持って今後知事の職務を続けることについて県議会の信任を得られるか、または不信任とされるか判断を仰ぎたい」と発言されました。
12/2の12月定例会提出議案説明でも「私としてはこの判断を行ったこと及びこの判断の沿って今後知事の職務を続けることに県議会の信任を得られるか、または不信任とされるのか判断を仰ぎたいと考えております」と述べられました。
 記者会見で「議会の判断を仰ぎたい」と表現したのは分かりますが、しかしいざ議会で議員を目の前にして「議会の判断を仰ぎたいと考えています」と言うのは何なのか?考えているからどうしてくれというのか?存在をかけると言った意思が感じられません。「忖度してくれ」という事なのでしょうか?後ろめたさがあるのでしょうか?なぜストレートに要請しないのでしょうか?私は要請すること自体が筋違いだと思いますが、いずれにいたしましても知事はこれまでの発言通り、自ら示した判断について意思確認する「信を問う方法」を具体的に示されました。意見の分かれる大きな課題について摩擦や分断を回避し、できる限りの理解や納得を得て合意形成を図ることは大事な事です。そのためには手続きが理解と納得が得られているかが極めて重要です。この手続きに疑問が多いので順次質問いたします。

Q 知事は職を続けることについて、信任、不信任を議会の判断に仰ぎたいとしていますが、制度上議会にあるのは「不信任」の権限のみです。「信任」の規定はありません。知事の職を得るという「信任」の根拠が与えられるのは選挙のみです。憲法92条では地方自治の本旨に基づかなければならないとしていますが、この本旨とは住民自治と団体自治の2つの原理であるとするのが通説であり、そう認識しているかを伺います。

Q 93条では首長を住民が直接選挙で選ぶと規定していることから、首長の正当性の根拠は議会からの信任ではなく、住民からの信任であると知事も認識していると理解して良いのか?

Q 地方自治法は議会による不信任のみ制度上可能としており、信任判断は制度上存在しません。議会が「信任」の発議をすることは可能ですが、それは単に政治的意思表示に過ぎないものである。一方知事が自ら信任、不信任の判断を議会に求める行為は意味が根本的に異なり、主権者である住民の判断を迂回し、地方自治の本旨、特に住民自治に反すると考えますがこのことに対し、根拠条文を示して反論できるのか伺います。またそれができないならば今回の対応が住民自治の観点から不適切であったと認めるという理解でよいのか伺います。

Q 知事が職を続けることについて、「県議会の信任、不信任で判断すること」が知事の能動的求めに応じて実施されるのは、二元代表制を取る地方自治制度の原理や趣旨から見て「違法」とは言えないまでも、著しく不適切であることは明らかであり、制度の趣旨は尊重されるべきものであると考えます。違法でないなら禁止規定がないとか、規制がないとか、地方自治の原理や趣旨は無視してかまわないという考えなのか伺いたい。

Q この手法を採用した知事の考えに一点の曇りも無いと言い切れるのか、批判は無視できるものであると考えているのか?あわせて伺います。

Q 首長が「信を問う」と言った場合に、有権者に直接問うという事であり辞職した後の「出直し選挙」を指すことが私は通説だと理解しておりますが、知事の考えを伺いたい。またこの理解を否定するならば理由を伺います。

Q 知事の記者会見で11/21に「単に賛否と言うより存在をかけるという意味だ」という旨の発言があったことからも、「信を問う」とは自ら辞職した上で「出直し選挙」と理解するのが通説と考えます。「出直し選挙」という正規の方法を取れば、住民という主権者が直接知事の続投の可否を審判できるのにもかかわらず、それを敢えて行わずに、議会に信任・不信任の判断を仰ぐことは、住民が行うべき知事の信任判断を議会に委ねるものであり、民主主義の正当性の源をすり替える行為ではないかと考えます。住民自治に基づくなら「信を問う」相手は議会ではなく住民であると考えます。この点について明確に是か非かで伺います。

Q 知事が職を続けることについて、県議会による信任・不信任の判断を仰ぐ手法を持ち出すことは地方自治制度の趣旨に沿った考えとは異なると思います。「信を問う」と言った場合、通説も慣行も「出直し選挙」です。通説や慣行を踏み外してまで、敢えて県議会による判断を求めた理由は何か伺います。

Q 行政の運営や実務においては他の制度との整合性、運用の安定性、住民の理解可能性などのため「通説」を取ることが最も合理的であり、筋であると思います。このこと自体の知事の理解を伺います。非とするならば今後の行政運営についても同様の考えで臨むというのか伺いたい。

Q 11/21記者会見では「リコールもある」と付け足しているものの、「知事の職務を止められるのは県議会しかない」と発言しています。知事は直接選挙で信任されていることを踏まえれば知事の職務を止められるのは県民である。県民の向かって「私を認めないならリコールしてください」と訴えて信を問うという手法も考えられます。むしろ県議会に問うより筋が通っていると考えますが所見を伺います。

Q 11/21記者会見では「リコールは例外的」とも発言しています。リコールは地方自治法に明文化された住民が行使できる解職手続きであり、「例外的」とする発言は余りにも住民視点を欠いていると言わざるを得ません。リコールを例外としたこと、表現をしたことを不適切とは思わないのでしょうか?所見を伺います。

Q 知事は信任・不信任の判断を議会に仰いでおり、11/21記者会見で「職を止められるのは制度上議会しかない」と発言しています。この表現から地方自治法第178条による「不信任決議の手続き」を定めた条文ですが、この手続きを求めているという解釈で良いのか伺います。

Q 地方自治法178条を適用して議会の判断で知事の職を止められないという状況を実現する為には、つまりずっと続けていくという状況を実現する為には、定足数の規定はあるにせよ、職務を続ける方向性からすれば問題は無いわけでして、4分の1で足りてしまいます。つまり2分の1の出席で2分の1の賛成よりも、普段はほとんど議会は欠席無いわけですからハードルはむしろ下がる。4分の1「続けてほしいという人」を確保すれば通ってしまうわけで、むしろ信任のハードルは低くなることからこれは不可解ではないかと思いますが所見を伺います。

Q 11/21記者会見では「私の信任・不信任を決められるのは今の制度上は県議会しかありません」「ごく例外的にリコールがあります」と「それしかないです」、「不信任は否決すればそれは信任という事になるのでしょうけれども、その権能は議会にあると思っています」と発言しています。私はこの二つの発言を事実誤認ではないかと思います。繰り返し申し上げてきましたが、地方自治法には議会による知事に対する不信任決議のみ規定されています。信任はありません。違うのでしょうか?また不信任は否決されたからと言ってその意味は不信任が否決されたという事実のみで、信任されたという事にはなりません。不信任の理由が二者一択ではないからです。単に保留としたい人もいるでしょう。積極的に信任ではないけども不信任までは判断しないという人もいるでしょうし、そもそも不信任案自体の提出に賛成できないという理由の人もいるでしょうから、様々あるわけでして、そもそも知事は有権者から信任されております。4年間の任期を与えられて、「信任」はされている。発言に対する知事の認識を伺いたい。事実誤認と認めるのであればなぜそのような発言をしたのか伺いたいし、事実誤認でないとするならばその根拠を伺う。

Q 地方自治法には職務の正当性に影響するという意味では議会による知事の不信任決議のみが規定されており、そもそも有権者から知事の職務は選挙を通じて信任されているものですし、4年の任期が与えられています。議会で議案や予算が否決されたからといって知事の職務そのものの信任が問われるものではない。ただ議会と知事が対立して予算や議案が通らない行政運営に支障をきたすそういう状況に陥った場合に、その対立・紛争の打開策として議会には首長に対する不信任が与えられている。対抗策としてその場合知事には解散権が与えられているものと理解しています。議会には不信任の規定があり、信任の規定は無いことを妥当と考えていらっしゃいますか?そうしたことの理由を理解されていらっしゃるのでしょうか?イエスかノーの回答を求めたいと思いますし、それぞれの回答の理由を伺いたいと思います。

Q 知事は9月定例会の決議を踏まえ「信任」「不信任」の判断を議会に仰いだとしております。決議を発議した自民党は知事に求められれば、決議の文言で言えば「知事が県民の意思を確認する方法として県議会を選択した場合は対応する」という姿勢であり、お互いに事の発端は相手側にあるように受け取れます。任意の個別の政治課題を引き合いにして知事が自らの信任・不信任の判断を議会に仰ぎ、それが実施されることにかかる責任の所在は知事と議会のどちらにあると認識しているのか伺います。

Q 「意思確認する」、「信を問う」と言い出したのは誰でもない知事自ら言い出したことです。知事が言い出したことです。「議会が9月に決議したこともあり」などと午前中の答弁でも知事は仰っていましたが、おかしくないですか。自民党の皆さんにも問いたい。地方自治法178条によるものにしろ、通常のものにしろ、決議を出せがそれは議会の責任になります。出発点は明らかに知事なのにであります。「私の信任・不信任を決められるのは今の制度上は県議会しかありません」、「不信任は否決されればそれは信任という事になるでしょうけれども、その権能は議会にあると思っています」もし見解が知事このままならば、私はこのようなおかしな見解の土俵に乗ってしまうこと自体が問題だと思っています。全体がおかしいことの土俵には乗れません。敢えて知事に申し上げたいです。「信任・不信任を決められるのは今の制度上は県議会しかない」などと強弁するよりも、「信を問うは、筋から言えば選挙になるが得策ではない為やめたんだ」と「次善の策として議会に問うことにした。自分で関連する議案を出してそれが否決されたら辞めることにする。自分の判断だ。」これなら知事の裁量で完結します。そうすべきと私は言いたいわけではないのですが、破綻している説明は認められないし、法の趣旨に逸脱する説明を前提としてこの議会で議論していること自体認め難いと思っています。また、後世に残る今回の事の記録を考えても、今のままでは県としてデメリットが大きいと思います。是非考えていただきたいと思います。

Q 知事が職を続けることについて県議会の信任・不信任で判断することが知事の能動的求めに応じて実施されることがこのまま通ればこれが前例になって行きます。もしこれが全国でもそうですし繰り返されれば、住民自治を経ずに首長の正当性を維持する政治運用が可能となり、憲法第92条に規定された地方自治の本旨、特に住民自治原理の形骸化を招くことにつながると危惧します。知事は本件をこのまま前例化しても良いと考えるのでしょうか?また住民の直接選挙によらず首長の正当性を更新できる政治モデルを肯定するのでしょうか?是か非か伺いたいと思います。

Q 県民意識調査では「原発再稼働の条件が現状で整っているか」の問への回答は37%対60%、6対4で否定的な回答が多いものでしたが、知事は再稼働容認と判断されました。「現時点では民意形成が不十分という評価が妥当である」にも係わらず「将来肯定的な人が増えるという可能性」に依拠して結論を出すことは、現状民意より「可能性」を優先した判断だと言えます。しかしこの知事の説明は、柏崎刈羽原発の安全対策、防災対策が県民に十分認知されていない状況で、これら対策に関する認知度が高くなるほど再稼働に肯定的な意見が増える「傾向」があると言っている。つまり「相関関係がある」と言っているだけであります。相関関係だけでは合理性が弱く、説明になっていないと考えます。合理的と言うなら因果関係を示すべきですが、相関は因果ではありません。相関から因果の方向性も決まりません。例えば、理解が深いほど肯定的ではなく逆かもしれない。もともと肯定的な意見の人だから安全対策に関心を持って勉強しているのかもしれないとも言えるという事です。こうしたことの証明も無く、因果応報の検証もなく、政策判断の合理性があるとは言えないと思いませんか?将来の肯定的な人の増加の期待を優先することの合理性・妥当性をどう説明するのか伺います。

Q 理解が深まるれば肯定的な人が増えるという判断は統計学的社会調査として検証可能な因果関係に基づいているのか、肯定的な人が増えると断定的に根拠データや再現性を県が示せないのなら、知事の判断は現状の民意ではなく「将来予測」への依拠だったと言わざるを得ず、合理性が弱いと考えます。アンケート結果はそもそも「判断時期は整っていない」という民意が6割であり、これは理解度の相関より重い事実です。相関だけを恣意的に取り出し結論を導く事は適切ではないと思います。仮に因果関係があるとしても、今判断する根拠にはなりません。理解が深まるまで待つべきという結論が妥当ではないでしょうか。「未来は肯定的な人が増える」ではなく「今は不十分である」が調査が示した「現実」です。この区別が曖昧になるとあらゆる政策判断が「希望と期待」で正当化できてしまい、民主的意思決定の土台が壊れてしまいます。今後の行政運営においてこのような「解釈」を都合よく持ち出すことが常態化されてしまうと問題と考えますが所見を伺います。

Q 避難の実効性についてどの時点で「整った」と判断するのかという事については、例えば私の令和7年2月議会代表質問で「原発事故時の避難の課題項目」として国に求めている避難道路の整備では「予算が約束された時点」、「工事が完成した時点」、「完成した道路を用いて訓練を行い確認をした時点」など様々考えられると思いますが、「どのような時点で整備されたと判断するのか」と質問した際、知事は「避難路の整備が確実に進められていき、県民の安心感につながることが重要と考えています」という答弁でした。しかし11月に公表された県民意識調査では「防災への取り組みはどの程度実施されていると思いますか」の問に対して「十分実施されている」または「概ね実施できている」と回答した割合は36%でした。また「安全に避難できる避難路のさらなる整備が必要だ」は「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」人は90%でした。この度の知事が再稼働を了解する判断はこの答弁を全く無視しているものと言わざるを得ません。答弁との整合性についてどう説明するのか所見を伺います。

Q 原子力災害時に円滑に避難するための避難路の整備を進めて行くことが記者会見で説明する資料に記載されており、会見の中で知事は「10年くらいかかるものもある」と説明していました。現状では避難路は整備完了していないことから問題があると考えるのは当たり前である。県民意識調査からも明らかなように、不安視する人も多いと承知しています。すぐに整備が可能となるように予算措置を国に求める対応が必要ではないでしょうか。実際にどのような要望や交渉となっているのでしょうか。国の予算を特段に付けてもらい、臨時の職員庁舎を作って国から職員も出してもらい、業者も確保して工事が優先的に進むような事業費の設定を行うなど、既存の枠組みで考えるものではないと私は思います。特例的な位置づけで工事を突貫的に行うよう条件を付けて要望したら良いではないですか。オリンピックでも万博でも期限があれば取組みます。原発は国策であり急ぎたいというのであれば条件を付けて進めることが筋ではないでしょうか。短縮して10年というのは何なんでしょうか?そうではない通常の見積もりと言うなら一刻も早く3年で、せめて半分の5年でと交渉すべきではないでしょうか。地元地域への誠意でありそれがあるべき姿ではないでしょうかと思います。悠長すぎると思いますが所見を伺います。また10年という期間の妥当性をどう説明するのか伺います。

<Q:杉井旬議員(リベラル新潟) A:花角英世県知事等>    【追ってQ2以下を掲載】
Q 柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に対する国の理解要請に対し、知事は「国の対応を確認し確約をいただいた上で了解する」旨の判断をした。この判断に公聴会や市町村長との懇談会で出された意見、また県民意識調査の結果は生かされているのか疑問を感じる。県民意識調査では「東京電力が柏崎刈羽原発を運転することは心配だ」との問いに、回答した県民の実に69%が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答え「再稼働の場健は現状で整っている」との問いには60%が「そうは思わない」「どちらかといえばそうは思わない」と答えている。この結果を踏まえれば県民の意思は再稼働に反対と受け止めるべきと考えるが、知事の所見を伺います。

A まず初めに、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働問題に関する県民意識調査の結果についてでありますが、
議員ご指摘の通り、「再稼働の場健は現状で整っているかぎ」との問いには60%が「そうは思わない」「どちらかといえばそうは思わない」との回答でしたが、一方で「どのような対策を行ったとしても再稼働すべきでない」との問いに対しては、50%の人が「そうは思わない」「どちらかと言えばそうは思わない」と回答しており、現時点では、県民の中で賛否は分かれているものと思われます。

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