12月県議会へ原発再稼働についての請願・陳情が3件提出され、12月9日厚生環境委員会で各5分間の口頭陳情が行われました。
(長岡市より)柏崎刈羽原発再稼働に関する陳情書
(要旨)
私の住む長岡市はほとんどの地域が、柏崎刈羽原発から30キロ圏内にあり、その住民は244、000人あまり、UPZ圏内人口の60%を占める原発風下最大の都市です。
県が行った県民意識調査では、「再稼動の条件は現状では整っていない」とする割合が長岡市で63%、県全体で60%となっています。11月14日に行われた花角知事とUPZ圏内7市町の首長との意見交換で、磯田達伸長岡市長はこの結果を踏まえ、「再稼動への理解が広がるにはもう少し時間をかけるべきではないか」と発言されました。長岡市民の思いを代弁するこの言葉を重く受け止めていただきたいと思います。「再稼働の条件が現状で整っている」とする割合が4割という現状では、県民は再稼働を到底受け入れられません。
県は県民意識調査の結果を受け、柏崎刈羽原発についての県民の意識向上のため、12月県議会に県民へ広報するための補正予算を計上すると報道されています。県民への広報は、東京電力が行っている安全対策や国や県がまとめた避難計画だけでなく、地震や大雪の際の避難対策の状況や、放射性物質放出の際の被曝防護、被曝シミューレーションの条件設定や結果など現状の説明も同様に行っていただきたいと思います。また、住民の疑問を解決するため、地域ごとに住民と専門家を交えた討論会の開催等にも予算を配分してください。
花角知事は、「原発再稼働の是非は県民に信を問う」と公約しています。「県民に信を問う」方法として、地元紙のアンケートや、私たちの行った調査でも、60%以上の人が県議会の議決ではなく、県民投票で自らの意思を表明したいと望んでいます。それ故、来年5月に行われる新潟県知事選挙の際に「柏崎刈羽原発再稼動の是非を問う県民投票」を合わせて実施されるよう強く求めます。本年4月の臨時県議会で県民投票が実施できないとした理由の一つは、多額の費用が掛かり、単位自治体に負担をかけるというものでした。知事選挙と同日とすることで、費用の負担の軽減が図れます。県民投票の結果を重く受け止めた上で、改選された新知事の下、再稼動について慎重に議論していただくよう願うものです。
(請願事項)
1 知事の出した判断に対して、県民に信を問う方法は、県議会ではなく、県民投票にしてください。県知事選挙と同日に行うことで、懸念されていた実施費用を抑えることができます。
2 原発の安全対策や事故時の避難方法に関する広報は、実際の準備状況も説明してください。原発再稼働による経済的メリットとだけでなく、原発事故による様々なデメリットも説明してください。また、県民の理解を深めるために専門家も交えた県民との討論会も開催してください。
令和7年11月25日
新潟県議会議長 青柳 正司様
陳情者 新潟県長岡市 小木曽 茂子
新潟県に隣接する福島県の福島原発事故被害の状況と万一の柏崎刈羽原子力発電所事故の影響に関する請願
<請願の趣旨>
原発事故被害者団体連絡会は、2011年3月の東京電力福島第一原発事故の被害者団体が連帯する連絡会である。この度、花角英世新潟県知事が、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を容認したことについて、福島原発事故の被害者として、非常な驚きと落胆を禁じ得ない。
花角知事は、11月18日に東京電力福島第一原子力発電所のサイトや被災地を訪れたと報道されたが、ごく短時間で原発事故被害の何を見たのか疑問である。
東京電力が引き起こした原子力発電所事故は、全く収束しておらず、現在も原子力緊急事態宣言が発令中である。高線量の放射線が収束作業を困難にし、過酷な被ばく労働を作業員に強いている。一日に90トンが建屋に流れ込む地下水は放射能汚染水を更に生み出し、ALPS処理をしても海を汚染し続けている。燃料デブリは夥しく高線量で人間が近付けないため、その取り出しや廃炉の見通しなど誰も立てられない状況にある。
報道では福島の復興の明るい面だけが取り沙汰されているが、高濃度に汚染された帰還困難区域は存在しており、人生を狂わされた避難者の生活再建には長い時間が費やされている。
子どもたちの甲状腺がんは、通常ならば100万人に1人か2人の発症に対して、福島県では事故後既に400人を超えて発症している。原発事故は未だに我々の生活に大きな影を落とし、取り返しのつかない被害を生み出している。
新潟県原子力発電所事故による健康と生活への影響に関する検証委員会(生活分科会)は画期的なものではあったが、その報告は「避難生活への影響に関する検証の取りまとめ」のタイトルにあるように、避難生活以外への影響に関する検証が十分ではなく、また報告(令和3年1月12日公表)から現在までに約5年が経っており、その後の状況の精査も必要である。
東京電力は福島第一原子力発電所事故の収束すらできず、事故の責任もとらず、被害者に対する十分な賠償もできていない。このような多くの被害者と甚大な被害を生んだ東京電力が、再び原発を運転することは極めて危険なことである。
再稼働された柏崎刈羽原子力発電所で万が一事故が起きれば、新潟県民にも、周辺県にも過酷な負担を強いることになる。東に隣接する福島県は偏西風によって放射能が運ばれ、再び被曝地となる恐れがある。
これらの理由から、新潟県議会に次の請願を行う。
<請願事項>
1.柏崎刈羽原発再稼働に関する知事の容認判断への県議会の同意の可否について、今議会で結論を下さず、継続して慎重に審議すること
2.県議会の審議においては、柏崎刈羽原発による隣接県への被害想定と、福島原発事故被害の現状について、被害者団体や科学者などの声を聴き議論に活かすこと
2025年11月27日
福島県田村市船引町 原発事故被害者団体連絡会 共同代表 武藤類子
柏崎刈羽原子力発電所再稼働問題に関する県北(村上市、胎内市、関川村)からの請願書
(請願理由)
私たちは、柏崎刈羽原発の再稼働という私たちの命と生活に大きくかかわる問題につい
て、きちんとした公開討論会を開催してほしいと切望しています。
これまでの県や国の説明会は、丁寧な説明と言いますがそれぞれが自説を述べるだけで
質疑応答は一人一問一分で、質問すら十分にできませんでした。4月臨時県議会では、条例
案提出者と今本参考人が陳述しましたが質疑応答がないままでした。今本参考人の県北に
ついての間違った発言を公開質問状で指摘しましたが議事録には残ったままです。
11/20「新潟日報社による柏崎刈羽原発再稼働県議アンケート」では、質問1~4どれも
県議53名の意見は割れています。県民意識調査でも県民の6割が現状では条件が整っている
とは思えないと回答。こうした状況のなか11/21に、花角知事の「再稼働容認」判断が発表
されました。花角知事の公約「知事判断の後、原発再稼働について、県民に信を問う」は
県議会の審議にすり替わろうとしています。県議会では県民の声を聞き、信を問うことは
ならないと考えます。「柏崎刈羽原発再稼動の是非を問う県民投票」が実施されるよう強
く求めます。
村上市は柏崎市刈羽村の避難地になりましたが地元住民には周知はあまりなく
避難に関する情報は行政に携わっている方々だけで共有しているような現状です。小児甲
状腺癌の裁判が福島では始まっています。子どもたちの健康のため安定ヨウ素剤の配布に
ついて再考してください。現行では必要な時に県北から県庁に係りが取りに行くことにな
っています。安定ヨウ素剤は服用するタイミングが大切です、時間が掛かり過ぎては効用
がありません。
(請願事項)
1, 花角知事の再稼働の判断理由について県民が知事に質疑応答できる場を設定してくだ
さい。
2, 県議会で賛成派、反対派の学識経験者を参考人として招致して、柏崎刈羽原発再稼動
について討論してください。
3, 「柏崎刈羽原発再稼動の是非を問う県民投票」を実施できるように花角知事にはたら
きかけてください。
4, ヨウ素剤を県庁から、各地域の保健所に置いてください。
令和7年11月26日
新潟県議会議長 青柳 正司 様
柏崎刈羽原発再稼働をさせない会・村上(代表) 中倉睦子





